デザイン経営推進協会’s blog

ユニバーサルデザインの理念を経営に活かします

情報のユニバーサルデザイン

今回は情報のユニバーサルデザインについてです。

 

みなさんは家電製品の説明書をよく読んでからお使いになるタイプですか?

先日ネットで、システムキッチンのコンロ下の一番端にある引き出しに何年も気づいていなかった!と話題になっていましたね。
「ウチにもあった!」などのリツイートも多かったようです。
ちょうど調味料が入るくらいの深さですが奥行きもあるので、我が家ではラップを入れて便利に使っています。

そこでふと気になりシステムキッチンの説明書を取り出してみました。
もちろんそこには引き出しの存在が記載してあります。
しかも一番前のページに。

せっかくメーカーが準備した説明書をユーザーが読んでいない、ということになります。
しっかりと耐荷重についての記載もありましたが、読んでいないユーザーがそれを超えた収納をして壊れてしまった場合、クレームになるかもしれません。

 

メーカーは「書いてあるからユーザーの責任」
ユーザーは「わかりにくい説明書を作ったメーカーの責任」

 

このようにトラブルに発展するでしょうし、対応に時間を割かなければならない、もちろん顧客満足度は低下、リフォームする際は他メーカーに流れる可能性大です。

これはメーカーとユーザーの間で紙面上のコミュニケーションが成り立っていないことを意味します。

このトラブルを未然に回避するには、多くの人が理解しやすく、目を通しておこうと思わせる説明書が必要になります。

 

少し極端な例でしたが、これを成立させた印刷物が情報のユニバーサルデザインです。

今回の例はキッチンですが、もし保険などの金融商品や重大な注意事項だったらどうでしょう。
金銭(財産)や生命が脅かされる事態に発展しますね。

お客様が説明書や約款を読まない理由は、その案件によってさまざまです。
字が小さいのかもしれません。
言葉が難しいのかもしれません。
色が見えにくいのかもしれません。

ユニバーサルデザインの原則である「より多くの人が使えるデザイン」を紙面に適用し、情報の送り手(メーカー)と受け手(ユーザー)間のコミュニケーションを成立させることが「情報のユニバーサルデザイン」です。

 

わたしたちの周りにはたくさんの書面が溢れています。
情報のユニバーサルデザインは、どの業種の書面にも取り入れることが可能な手法です。
「より多くの人」を想定した書面づくりを目指しましょう!